徳川家康と外交:ホームズの政治☆ホームズで徳川家康と外交を解説!



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2006年07月15日

徳川家康と外交

ホームズ、今日の「とっておき話」の
ホームセンターからは・・・

徳川家康は大一番の関ヶ原の戦いを前にして、
上洛に応じない会津の上杉討伐のため軍を北上させ
ます。豊臣の知将石田三成は、会津と組み、家康が
北上したのに合わせて挙兵し、北と南から徳川をた
たこうという計略だったとされています。
もっとも家康はこうした三成の動きを察知していた
ようです。
上杉討伐軍がちょうど今の栃木県小山に来たとき、
三成挙兵の報が入ります。
動揺する陣中。それはそうでしょう。この時、軍を
固めていた大方の将兵はみな豊臣方の武将です。

彼らはみな、大阪に妻子を残してきていたのでした。

ここから有名な「小山評定」に向けてのドラマがは
じまります。

すなわち三成の「家康天下取りの謀反鎮圧」に加担
すべきか〜そうすれば妻子の無事は担保されます〜
さもなくば、家康の「秀頼公を謀反人三成から守る
戦い」に加担するか〜妻子の命は保証されません。
細川ガラシャ夫人の例があまりにも有名ですね〜

・・・

各武将はまんじりともせず夜を明かしたでしょうね。

 家康

 

 

 

 

家康はこうした武将達の心情が手に取るようにわか
ります。なんといっても己が幼少期に今川の人質と
なり、苦労を積んできた男です。

評定は「家康につくか、三成を伐つか」のここ一番
の勝負どころとなりました。ここで、秀吉の御恩を
忘れるなとばかりに雪崩をうって反徳川の機運が生
まれれば、さすがの家康も打つ手無しだったでしょ
うね。いやそれこそ自分の命が危ない局面です。
だからこそ逆の局面ー「三成こそ伐つべし」ーを生
み出す工夫が必要だったわけです。

皆さんはありませんか。何か重要な議決事項があり
だれも意見を言わず、重苦しい空気が議場を包んだ
とき、一番先に力強い決意を語った人に賛同しそう
になった経験が。

家康はこの人間の心理が読めていました。
「徳川殿にお味方いたす!」 この一番最初の決意
表明がこの評定を決することを。しかもその発言は
豊臣子飼いの象徴とも言うべき人物でなければなら
ないことを。

だから福島政則という武将諜略は大事だったわけで
その福島を説得させるための、はやくからの黒田長
政(父親は黒田官兵衛、秀吉の知恵袋ですよね)諜
略が功を奏するわけです。

評定は福島の「徳川殿にお味方いたす!」という大
音声で決しました。ここに家康は圧倒的多数の豊臣
配下の軍を一気に自軍に寝返らすことに成功するの
です。以降の歴史は皆さんもご承知の通り。

過去の歴史を振り返れば、日本人は決して外交が不
得手とはいえません。要は外交も「戦争」の部類に
入るという意識、または覚悟でしょう。大戦におけ
る日米戦も諜報活動と外交を重視しなかった当時の
軍部が愚かだったのです。
翻って今の日本外交、特に国連外交はどうでし
ょう。

外交戦のスリリングな展開を満喫できた映画はケビ
ンコスナー主演の「13ディズ」です。若き米国大
統領のJ.F.ケネディとキューバのミサイル問題
をめぐっての駆け引き、国連でのソ連との対決。
実際の戦闘シーンはなくても、まさしく外交とい
う戦争を描いた名作でした。

13ディズ〜コレクターズエディション


  ケビン・コスナー/13デイズ〜コレクターズエディション(2枚組)〜

   安保理

 

 

 

「ミサイル発射された!」それ、制裁決議だ、とい
ち早く決議案を上程したのは例年になく素早い行動
だったし、安保理理事国に賛成に回るよう麻生外務
大臣がすぐ動いたのも日本外交の存在を久しぶりに
発揮した行動でした。麻生大臣は、決議案に慎重姿
勢を示すだろうと思われる中国寄りの大使を自分の
席の近くに座らせ、決議案に賛成の国から順に意見
を述べさせたということです。家康の外交戦法の応
用ですね。

しかし、その後、家康のように間髪入れず国連決
議案の採決に持ち込めなかったのは痛かった。中国
ロシアに拒否する口実と時間を十分に与えてしまっ
たし、共同提案国の英仏も中国の北説得に期待する
方向に転じたし。

そもそもアメリカの思惑はどのあたりにあるのか、
どの程度生きた情報(外交評論家の手嶋さんふうに
言えば、「インテリジェンス」情報ですか)をキャ
ッチしていたのかということです。欧米にすれば、
北朝鮮よりも脅威の度合いが強いイランの核問題の
方が重要だし、アメリカも、とにかく北を6カ国協
議へ引き出すために中国の背中を強くたたくのが
一番のねらいだったかもしれません。
その意味で、小沢氏のこの見解は正しい。

日本ははたして梯子をはずされたのでしょうか。

それとも中国ロシアの拒否権に匹敵する切り札
があるのでしょうか。

あと少しで答えはでるようです。


あ、あの小山評定なんですが、個人的な外交戦で
大勝利を納めた武将がいました。
「功名が辻」の山内一豊です。

 山内一豊

 

 

 

 

この一言で、一豊は関が原での目立った戦功はな
かったにもかかわらず土佐一国を与えられたので
した。

その一言・・・NHKを見てください。


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1. 無責任な中国とロシア  [ 外交と安全保障をクロフネが考えてみた。 ]   2006年07月15日 22:36
 核開発を続けるイランに対して米・英・仏・独などが提案した、ウラン濃縮停止に対して見返りをあたえる”包括案”への回答をイランが拒否している問題で、5常任理事国プラス独は、安保理での協議を再開させ、ウラン濃縮・再??q
2. 北朝鮮問題、大詰め協議ですかそうですか  [ 非国際人養成講座 ]   2006年07月16日 10:12
私の頭の中ではすでに決着が済んでしまったのですが、一応やりだした以上はフォローいたします。 なんだかブラジル戦に臨む日本代表の姿がダブりますが・・・

この記事へのコメント

1. Posted by 非国際人   2006年07月16日 10:20
こんにちは。
コメントにトラックバックありがとうございました。

いや〜この話は実に面白いですね。
家康って人はホントに先の先まで計算していて、「いやなやつ」だったらありゃしないです(笑)

日本にとっての、福島政則になってくれるのは、どこの国でしょうか。しかしその前に、黒田如水はいるのか?って話もありますが・・・

そう考えたら、当時の諜報戦っていうのは本当にすごかったですね。
2. Posted by ホームズ   2006年07月17日 01:07
5 非国際人さま、コメントありがとう
ございました〜。

家康のような狸でいやらしーと外国人に思わせるような政治家が出ればいいですよね。(^O^)
黒田如水は、本能寺の信長横死を秀吉と共に聞いたとき、秀吉に「これで天下は殿のもの」とうっかり漏らして、秀吉から警戒されるようになりました。
霞ヶ関の外務官僚はここまで先を読めるのか、いや読めるだけの頭の回転があっても戦う気概があるかどうか、ですね。

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