防衛〜また続く:ホームズの政治☆ホームズで防衛〜また続くを解説!



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2006年07月20日

防衛〜また続く

ホームズ、今日の「とっておき話」の
ホームセンターからは・・・

「何よりも一人の犠牲者もでなかったことを素直に
 喜びたい」

自衛隊1

自衛隊2

 


 



 


朝日の社説は一見正しそうですが、この見解がそも
そも間違っています。「
軍隊の海外勤務には犠牲
はつきもの
」というのが常識だというのが防衛大
名誉教授の佐瀬昌盛氏のご意見です。
この佐瀬氏が7月7日付け産経新聞「正論」で、興
味深い論を展開しています。

今回の隊員の撤収の喜びには3つの側面があるとい
うのですね。
1.自身の命が無事であった喜び
2.家族、肉親、友人との再会を果たした喜び
3.任務を遂行したという喜び

ここまでは理解できます。しかし、イラクに派遣さ
れた自衛官の、特に3に潜む心に、われわれ一般人
も、まして他の国の軍人には分かりえない機微なひ
だがあることを国民の多くは理解していないという
のです。

さあ、なんでしょう?

それは・・・


「任務遂行の喜び」の中に、今回の派遣を下し
た政治的決定を救えた喜び
が入っているとい
うのです。よく分からない?

つまり、今回の派遣中に1名でも人命の犠牲者がで
たとしたら・・・想像できるでしょう?

朝日、毎日、NHK、TBSの「ニュース23」あ
たりはここぞとばかりに自衛隊の撤収を声高に叫び
派遣に反対した民主党はじめ野党議員(または、与
党の中の左派議員も)、一国平和主義者の「進歩的
」言論人と共に、今回の政治責任を追及するきわめ
て緊迫した政局が生まれたはずです。
そうなれば、ここまで賽の河原で石を積むような努
力を続けてきた苦心がすべて水の泡と帰しますね。
彼ら自衛官は、その意味でも犠牲者を出すわけには
いけなかったのです。佐瀬氏は言います、

そんな配慮に迫られる軍隊はほかにあるか。」
と。

問題の多い特措法の下でイラクに派遣された自
 衛隊員が政治を、国会を恨むでなく、逆に気遣
 うことしきりなのを知っているか
。」と。


対する朝日新聞の自衛隊撤収に関する社説から2本
取り上げてみましょう。


自衛隊6

 

 

 


その実態は要塞のように守りを固めた宿営地の中
 で給水活動をしたり、現地の人々を雇用して、学
 校施設などを復旧したりすることが中心だった。
 隊員の安全を最優先したからだ。」
(「結果オーライとはいかぬ」6/21付)

サマワ付近で戦闘があると、自衛隊はほとんどテン
トに篭り作業を中断していたという極端な記事を書
いて、事実に反すると批判された朝日。最後まで論
調は変えません。しかも安全を最優先させる論調で
自衛隊の活動を制約したのは朝日などマスコミでは
なかったですか?


そして今日7/20付社説「この経験を検証しよう」

「(一人の犠牲者も出なかったことは)安全を最優
 先した自衛隊の努力の結果ではあるけれど幸運だ
 った。」

派遣を優先させ、その根拠となる法的側面の不備が
自衛隊に不自由な活動を強制したというこの前半部
分は、まぁ朝日にしては自制した文ですね。
そして、次の段「他に策はなかったか」そして結論
「前例にはできない」と続きます。

これ、見出しだけ見ると、前半の話を受けて、「こ
のような不備な法律以外にもっと自衛隊を活用でき
る法律の制定などの策はなかったか。」となり、
「このような、他国の軍と平等に活動できないよう
な法律のもとでの派遣は前例にできない。」と話が
展開するなら分かりますよね。

しかし「他に策はなかったか」の段では・・・

「自衛隊の派遣には今年3月末までで743億円も
 かかっている。地元の住民を雇用してインフラな
 どを復旧し、生活を応援するのなら、支援の実績
 があるNGOを通じた方が同じ費用でより大きな
 貢献ができたかもしれない。官民をあげて今回の
 やり方を検証すべきだ。」と、
自衛隊の活動を
否定する本音を吐露
しています。

そして結論部の「前例にはできない」では

「今回の派遣は無理の上に無理を重ねた特異なもの
 だった。無事に任務を終えたからといって、安易
 に前例とするわけにはいかない。
イラクに残る
 航空自衛隊も一日も早く撤収させるべき
であ
 る。」

となります。犠牲者がでなくても撤収を主張してい
るのですから、佐瀬氏の言葉など眼中には入らない
でしょう。ご自身たちは冷暖房完備の快適な社屋で
ぺんを走らせるだけの方たちに、
灼熱の異国で、
自分たちのことだけでなく、マスコミ報道や政
治にまで配慮して任務を遂行した自衛隊員の苦
など分かるはずはないでしょうね。

防衛の要である自衛隊という財産をどう活用するか
は色々なご意見もあるでしょう。でも共通すべき認
識は、彼らの「士気」をいたずらに貶めないこと。
それがひいては国民の防衛にもつながるのです。
その意味で「防衛庁」という外局からきちんと「防
衛省」へ格上げするというのも当たり前の話です。

防衛庁

 


 

 


イラクから無事撤収任務を終えた自衛隊のみなさん、

本当にご苦労様でした。
そして本当にありがとう。僕らは君たちのこと、
誇りに思います


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1. 自衛隊、サマワから撤収完了  [ 思うて学ばざれば則ち殆し ]   2006年07月21日 05:53
 サマワに派遣されていた陸上自衛隊の撤収が、17日に完了しました。危険な地に赴かれ、大変なご苦労があったことでしょう。そんな中で、無事、任務を完了されたことを嬉しく、そして誇りに思います。
2. 【祝!】イラク派遣陸上自衛隊の撤収完了  [ 屋根の上のミケ ]   2006年07月21日 08:25
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3. サミット閉幕と日本の収穫  [ 外交と安全保障をクロフネが考えてみた。 ]   2006年07月22日 01:18
 本当ならこの記事は昨日アップしたかったのだが、イスラエルとヒズボラの紛争が激化し、そちらの方が緊急事態だと考えて記事をさしかえた。 というわけで、今日はロシア・サンクトペテルブルクで開催されたサミット・??円く

この記事へのコメント

1. Posted by 屋根の上のミケ    2006年07月21日 14:31
アサヒ新聞のダブルスタンダード、つう〜か、いい加減さを象徴する話ですね。トラックバックをありがとうございました。ミケ
2. Posted by ホームズ   2006年07月22日 22:23
屋根の上のミケさま、こんにちわ。
朝日新聞には、ダブルスタンダード
どころか、ほとんどご都合主義にしか
読めない政治関連記事が満載です。
今回の昭和天皇の御言葉とされるメモ
報道も。

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