本田美奈子さんのアメージンググレイス:ホームズの音楽アーティスト ☆ ホームズで本田美奈子さんのアメージンググレイスを解説!



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2006年09月02日

本田美奈子さんのアメージンググレイス

ホームズ、今日の「とっておき話」の
ホームセンターからは・・・


若くして白血病に命を奪われた本田美奈子さん
が歌う「アメージンググレイス」が、骨髄バ
ンクCM(白血病撲滅)のなかで用いられてい
ますね。

アメージンググレイス(Amazing Grace)・・
フジテレビでリメイクされた「白い巨塔」でも使用
されました。「驚くべきほどの(神の)み恵み」と
でも訳しましょうか。

この詞はジョンニュートンがイギリス人の詩人の
協力を得て作ったものです。

ジョンニュートン(John Newton 1725-1807)
の生涯はまさしく波乱万丈です。
1725年地中海貿易に携わる貿易船船長の息子と
してロンドンに生まれました。母は敬虔なクリスチ
ャンでしたが、彼が7歳の時に他界。

軍役から解放された後、民間商船に乗り込むことに
なったのですが、ジョンが乗船したギニア商船は、
三角貿易に携わる商船でした。すなわちイギリスか
ら持ち込んだ衣類や生活用具、武器をまず黒人達と
物々交換、その後西インド諸島やアメリカ南部の植
民地で黒人達を砂糖やたばこなどと交換して、それ
をイギリスへ持ち帰るというものでした。
父親の助力や勧めもあり、やがてグレイハウンド号
という普通の商船に乗り換え、そこでの仕事を終え
て、1748年1月にイギリスへ向けて出発します。

この頃のジョンはまったく神の存在を信じるどころ
か、神を信じる者たちをあざ笑い、神への冒涜を繰
り返していたといいます。海の上での荒んだ生活を
続けている結果でした。

さて、そのイギリスへ帰るグレイハウンド号が3月
の初め頃、嵐に見舞われたのです。破損した船室に
流れ込む海水、乗組員らは必死に海水のくみ出しを
行いましたが、もはや沈没寸前。ジョンは「この状
況で助かるのは、もはや神の奇跡しかない。しかし
自分の今までの行跡を振り返れば無理なのは当然」
と死も覚悟したのでした。
しかし、積んでいた大量の木材などが壊れかけた船
を浮かせる浮力ともなり、10時間以上にもわたる
作業の末に、沈没は避けられたのです。
母に教えられた小さな記憶、神への記憶がよみがえ
ったのでしょう。沈没を免れたあとの、約1ヶ月に
わたる食料不足からくる「飢え」と戦いながら、4
月、ようやくアイルランド北部のスウィリー湾へた
どりつきました。

ジョンの回顧:
「私には分かる。祈りを聞き届けてくださる神は存
在すると。
私はもはや以前のような不信な者では
ない。私はこれまでの不敬を断ち切ることを心か
ら誓う。
私は神の慈悲に触れ、今までの自分の行
動を心から反省している。
私は生まれ変わったのだ。」

その後もジョンは病気をきっかけに陸に上がるまで
船の仕事を続けます。
興味深いのは、ブラウンロー号での一等航海士とし
ての商船も、船長として勤務したアーガイル号も、
その「商品」には「黒人」が含まれていたという事
実です。ただ、嵐での奇跡の生還後、船での規律や
清掃を徹底させ、黒人の暴動があっても冷静に対処
し、処罰を与えなくてはいけないときも人道的であ
ったと記録されています。
「神の信仰に目覚めた者が、あいもかわらず、黒人
を売買する商船を指揮するのか、けしからん。」と
いうところでしょうが、当時の近代国家が「黒人は
商品」という事を常識としていたのなら、やむをえ
ないのかもしれません。今の価値観や常識を当ては
めることはできませんから。

彼の波乱万丈な人生はまだ続きます。

陸に上がったジョンが、その後の人生を捧げた仕事
・・なんと、聖職者としてバッキンガムシア州のオ
ルニー教会の牧師となったのです。(晩年はロンド
ンの聖メリーウールノース教会司祭)
詩人ウィリアム・クーパーと親友になると、毎週の
礼拝のための賛美歌を共同で書き上げ、ジョンが
54歳の1779年に発表されたのが「オルニー賛
美歌集」でした。この「オルニー賛美歌集」に収め
られた一篇の詩にいつしかメロディーが付けられ、
やがてアメリカへ広まり「アメージンググレース
と名前を変えて、全世界に知られるようになったの
です。数奇な運命で聖職者となったジョンは後に、
イギリスの奴隷制度廃止運動にも大きな影響を与え
ました。

82歳を迎えた1807年12月21日、
ジョンニュートン昇天。享年82歳。

この賛歌を熱唱し、多くの人に感動を与えてくれた
本田美奈子さんに感謝するとともに、御霊が安から
んことをお祈りします。

 

 


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