朝日新聞 VS 産経新聞
ホームズ、今日の「とっておき話」の
ホームセンターからは・・・
村山談話に対する安倍晋三官房長官の真意に関し
朝日の「社説:安倍発言 村山談話を葬るな」と、
産経の「主張:村山談話 正すべきは意を尽くし
て」が、ともに8日の紙面を飾りましたねー。
先の戦争を含めて我が国の歴史観、靖国参拝など
相反する二つの新聞が、それぞれに主張を展開し
ていて、実に興味深く読みました。
>
それ以降の歴代内閣では、これが日本政府の歴
史認識として内外に定着してきた。戦後半世紀
を迎えた日本が、ようやくたどりついた明快な
認識であり、国内的にも、近隣国との信頼を築
くうえでも重要な役割を果たしてきた。
だが、次の首相の座をほぼ手中にした安倍晋三
官房長官は、この談話がどうもお気に召さない
ようである。 (朝)
>
朝日は、この談話が「大のお気に入り」です。
これに対し、産経は、この談話の成立そのものに
疑義をはさみます。
>
(略)旧社会党出身の村山首相、故野坂浩賢官
房長官ら一部の閣僚と官僚だけで検討された後、
突然、閣議に出されたものだ。
当時、国会でも「謝罪・不戦」を柱とした戦後
50年決議が論議されたが、衆院で新進党欠席
のまま議員数の半数に満たない賛成で可決され
たものの、参院では採択が見送られた。このよ
うに国論が分かれているときに、社会党らしさ
を示すために考え出されたのが村山談話だった
という。 (産)
>
朝日は、昭和28年、「戦犯汚名」を晴らすため
に、遺族援護法を全会一致で決めた重みには頓着
しませんが、社会主義者たちが一政党らしさを示
すために「密室」で決めた談話には、やたらこだ
わります。
また、朝日は、この談話が「近隣国との信頼を築
くうえでも重要な役割を果たしてきた。」と述べ
ているが、これを踏襲してきた歴代内閣にも
かかわらず、韓国、中国が「過去」を手放し
たことなど一度もないですね。韓国に至っては、
「過去は清算済み。未来指向の韓日関係を」とい
いながら、気に入らないことがあると、常に
「過去」で攻撃してきたのはご承知の通りです。
>
だが、あの戦争、とりわけ中国や東南アジアで
の戦争が「侵略」だったことは多くの歴史家を
含めて、一般の常識ではないのか。中曽根首相
以降、侵略を認めなかった首相はいない。
(朝)
>
この朝日の主張に、産経は以下のように述べます。
>
歴史認識というものは、学問や言論の自由が保
障された社会では百人百様で、時の内閣の首相
談話によって縛られるものではない。
村山談話は「遠くない過去の一時期、国策を誤
り」とも言っている。その時期を村山首相は明
示しなかったが、そもそも、戦後の一時期の内
閣が過去の歴史を一方的に裁いていいのか、極
めて疑問である。 (産)
>
そう、ここが一番ひっかかるところなんです。
我が国は、自分の王朝の正当性を誇示するために、
前王朝を徹底的に否定しなければならない中国の
歴史とは異なるはずなのです。村山氏は自己の意
思を通すあまり、過去を裁く独裁者になってしま
ったように思われます。
しかし、われわれ国民は一政治家に「過去の歴史」
の正誤まで負託などしていません。(明らかにそ
れを争点として、選挙をしたなら別ですが)
その意味で、「A級戦犯、この戦争の審判とい
うのは、歴史がいたすであろうというように
考えています。」と述べた故大平首相の言葉こ
そが、一政治家の誠実な発言だと思うのです。
以下、両紙の結論部です。
>
こんな基本的なところであいまいな認識しか示
せなければ、安倍政権のアジア外交は根本から
揺らいでしまう。日本外交が苦労して積み上げ
てきた信頼を一気に失うのは明らかだ。
これが安倍氏のいう「主張する外交」なのか。
安倍外交が大いに不安だ。 (朝)
>
>
政府の連続性から首相談話の見直しは慎重にな
されなければならないが、正すべきは意を尽く
して正すのが政府の責務であろう。(産)
>
それこそ、政局やイデオロギー抜きに「村山談話」
「河野談話」の意義や正当性、または妥当性をお
おいに議論してほしいものです。
我が国は「言論の自由」が何よりも守られるはず
ですから。 ねぇ、朝日さん。
*
村山談話についての疑問は「大和の国から」に詳細
があります。興味のある方は御一読ください。
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この記事へのコメント
お越しいただきありがとうございます。
朝日、産経、ともに大いに論戦をしてほしいところですが、朝日には注文がいくつか。外国にご注進報道をして、国内問題を外交問題に発展させるのはやめてほしい。歴史や先の戦争での、あまりにも情緒的、主観的な報道は控えていただきたいと思います。それと朝日には、あまりに誤報や虚報が多すぎるし、それも首の根つかまれない限り、認めて訂正するという誠実な姿勢があまりみられないのが残念であります。