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2006年12月26日

ベートーヴェンの第九のことなど

ホームズ、今日の「とっておき話」の
ホームセンターからは・・・


ベートーヴェンといえば日本人のお気に入り作曲家
No.1候補ですね。「ジャジャジャジャーン!」の交響曲第五番「運命」といったら知らない人を捜すのさえ難しいかもしれません。

そして、年末は、ここ日本で、ベートーヴェンが一番登場する月です。そう、あの第九交響曲「合唱つき」で。

でもなんで第九は12月なのか・・・

ついこのあいだまで、僕は、第九の日本での初演
(全曲演奏)は、大正13年(1925)の
11/29、30日、場所は現東京芸大奏楽堂、指揮者がドイツ人のグスターフ・クローンと書物から教えられていましたが、今年6月に公開された「バルトの楽園」で、実はもっと早くに初演されていたことを知りました。

それによれば、大正7年(1918)6月1日、徳島県坂東俘虜収容所においてだったのですね。

・・・

でも、どちらも12月ではないですね。

ではそもそもの、第九の世界初演が12月だったのか?

実はこれもはずれ。第九の世界初演は1824年5月7日、ベートーヴェンその人を指揮者に迎えて行われました。場所はウィーンのケルントナートール劇場。

聴衆の拍手喝さいを、耳の聞こえないベートーヴェンが気づかず、アルトの歌手が手を取って聴衆の方を向かせ、はじめて成功を知ったという話として今に伝わる、伝説の演奏会であります。

大成功を収めたということです。

しかし12月とは無縁です。では、その後演奏の機会に恵まれなかった第九を今のように広めた復活公演と関係しているのか・・・

これは1846年ドレスデンでワーグナーにより演奏されたのですが・・・4月5日となっています!

う〜む・・では日本で大正7年、13年に次いで演奏されたのはいつか。

これは、昭和2年。なんか元号が変わったので、随分と時代がとんだように思えるかもしれませんが、西暦に直すと1927年。前回からたった2年後です。ベートーヴェン没後100年を記念して、朝日新聞主催、朝日講堂において新交響楽団(これは今のN響です)により演奏されたのでした。合唱は日本音楽学校、指揮ヨーゼフ・ケーニヒ。この日が年末だったのかー!!

いいえ、5月3日でした。(ガクッ)

結局戦後あたりから12月の演奏が増えてきたと言います。いろいろな方が推測されていますが、まず
常に貧乏な楽団員たちに、暮れのボーナスをやるため、客席が埋まりやすい人気曲をあてたこと、その人気曲の中でも、ベートーヴェンというネームバリューと、新年を「喜び」とともに迎えたいという日本人の感性が合致したことなどがあてはまりそうです。
それに、第九はプロ、アマ関係なく演奏できるのですが、合唱の成果を一年かけて披露するのにふさわしいというのもあるのではないでしょうか。

今年も第九に耳を傾ける季節となります。

 


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